
まずは思い付きで良い、発想を豊かに
新しいサービスを考えるときにも、「どう発想するのか」とよく聞かれますが、これも、何か特別なことを考えているわけではありません。「こういうものがあれば便利だな」という思い付きでやっているんです。
買い物は毎日のことです。昼間の時間帯だけにしかできないのは不便。だったら、家の近くで、24時間いつでも買えるようにすれば便利です。
便利なものであれば、あったほうがいい。まったく難しい話ではありませんよね。だったら、それを実現するにはどうしたらいいか。ずっとそういう考え方をしてきただけなんです。

DXに通ずる考えだと思います。何か特別なことをしなければならないと考えれば考えるほど、色々なハードが出てきて、思考停止に陥ってしまうのではないかと思います。

一方で、目の前の不便さや無駄を解消すれば、劇的に変わるのに、変えようとしないのはなぜなんだろうと。

日頃感じている不便さ・無駄を解消するだけでより良い組織に変わると思うんですよね。

ということを一人の人間が思っているだけでは駄目で、全員が同じ方向を向いている必要があると思っています。
単純な考えを真っ直ぐ追及するということ
便利さを見つけるって、大変なことのようですが、そんなに大げさなことではありません。毎日の生活の中でも、「もっと便利に」と思うネタは至る所にあります。
じゃあ、なぜそれが世の中にないのか。ただ、やらないだけでしょう。
自分のアイデアが絶対に受け入れられる自信があるということではなくて、「こういうものがあったら便利だ」とか、「こういうふうにしたほうがいいんじゃないか」という単純な考えを、真っ直ぐ追求するということだけです。
自分が不便だと思ったことは、ほかの人だって不便と感じるわけです。一つずつ「こうしたら便利だろう」と考えてやっていれば、自分が思ったほどではないにしても、いまよりは便利になるはずです。それを続けていたら、世の中が不便になるということはないでしょう

便利になるのに、なぜやらないのか?と思うことがよくあります。

その答えはシンプルで、鈴木顧問が仰るように、「ただ、やらないだけ」ではないかと思います。

さらに言えば、心の中では「やれたら良いな」と思いつつも、ハードル(人、予算、制度、手間など)が立ちはだかり、誰かがやってくれると嬉しいけど、自分は「ただ、やらないだけ」になっているのではないかと思います。

今まさにこのタイミングでのDXを進めるのは、そういうハードルや制約条件を取っ払って、組織・地域・自分がどうあるべきかを考えるということです。

それを考えられるのは「人間」だけとも思います。
お客様の立場
私はいつも、「お客様のために考えるのではなく、お客様の立場で考えろ」と言ってきました。
「お客様のために」は商品やサービスを供給する側からの目線です。それでは押し付けになってしまう危険がある。
信じるべきは自分の基準。自分がおいしいと思わないなら、売ってはいけない。そして、その基準がお客様と同じでなければいけない。だからこそ、お客様の立場で考える。ここだけは、絶対に外してはいけません。
人間は、無意識であっても、常により新しいもの、より良いものを求めている。それに応えるためには、提供側も「これまで」に囚われていてはいけません。過去と同じものでは、お客様に満足していただくことはできないんです。

「自分がおいしいと思わないなら、売ってはいけない」、それに尽きる気がします。

「こんなやり方で・内容で、お客様は嬉しくないだろうな」と思うことがあるとすれば、即刻辞めるべきです。

「これまで」に囚われないこと、常に意識しておく必要があります。
求められるのは、発想のジャンプ
私は「経営者には発想のジャンプが必要だ」と言っています。常に未来に焦点を当てて、向こう側から現在というものを見る。そうして「10年先にこうありたい」と思うのなら、そのためにいまはどういう判断をすればいいかを考える。
新しいものを考えるとき、みんな過去のことを勉強しますよね。
そして、これまでにうまくいったやり方に頼る。あるいは、データを調べる。最近だったらコンピューターやITの進化で、簡単にビッグデータも手に入ります。
もちろん、何かしらの理由があるから、正攻法というのはつくられる。しかしこれらは、「既成概念」と言ってもいい。既成概念は、選択肢を狭めるんです。
過去のやり方やデータに頼るような発想の狭さでは、お客様に新しいものを見せられないんです。
われわれは、自分たちが未来から考えることで、お客様にも未来を見せなくてはなりません。
そうでなければ、お客様は喜ばない。さっき言った通り、必ず飽きるんです、人は。仮にいま満足していたとしても、その先を見せなければいけない。

どうも過去の事例、横の事例に囚われすぎている感がありますよね。私もまずはそこから入ることは否めません。

持論になってしまいますが、それは、新しいことをして失敗することを恐れているが故の防衛本能みたいなものなのかなと思います。これならまぁ上手くいくはず、上司も理解してくれるなど。

「日本人」と一括りにしてはいけないと思いますが、横並び・突拍子もないことは言わない・無難=合格点、みたいな雰囲気が日本にはあるかもしれません。
セブン銀行をつくるとき、ある銀行の頭取さんがいらして、「鈴木さん、銀行ってそんな簡単にできるもんじゃない」と親切に忠告してくれました。私は「そんなに難しいことは考えていないんです。ありがとうございます」と言って帰っていただいた。専門家からすれば、「素人が何を言っているんだ」と思われたのでしょう。
これまで、そんなことはたくさんありました。「無理だよ」と言ってくれる人が多いほど、その声が大きいほど、そこには多くの可能性があります。みんなが反対するということは、大抵成功するんですよ。
世の中にあるものはすべて、最初は誰かの発想から出来ています。
それが後にどう評価されるかで、正しさのようなものが決まる。
つまり、新しいものは自分の発想からしか生まれないんです。
私は、人から話を聞いて勉強することも得意ではありません。物事は自分の直感で考えるほうが楽ですよね。何度も言うように、全部思い付きでやってきました。自分で考えれば、いろいろな発想が出てきます。
冒頭に申し上げたように、私はこういうお話をするときにも、事前に準備しません。そうすることで、自分の言葉で話すことができます。準備するということは、「正しくあろう」とすることです。間違えないようにしようとしてしまう。そのときに人が頼るのは何か。そう、過去のやり方なんですよ。

何か新しいことをするときには、シンプルな直感が必要と考えます。こうしたらお客様に喜んで買ってもらえるのではないか、と。

ただそれを思い付けるのは、日頃から、今のサービス・商品・やり方に疑問を持って接しているからに他ならないのではないかと思います。

ちなみに私の判断基準は、誰かが嬉しいのかどうかとか、楽しい・面白いのかどうかとか、そんな感じでアバウトです。まさに思い付きとか直感がまずは重要なのではと。結果は後で付いてくるんじゃないかと思うわけです。

自ら・組織への不断の問いかけが必要ですね。「自分・あなたが逆の立場ならどう思いますか?」と。


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