

デジタル庁がデザインについて語っている!
田川:行政がデジタルサービスをリリースする際は、公共性やプロセスの透明性を担保しなければいけないこと、ペルソナが「市民」「行政」「政治家」など複数あり、それぞれニーズや使い方も違うことから、意見を集約して進める難易度が民間よりも非常に高いです。
その過程において、デザインが果たせる役割は2つあると考えています。1つは浅沼さんや石川さんが述べたように、カルチャーレベルで「ユーザー起点」を取り入れること。2つ目は「具体的に議論すること」です。行政は計画や仕様など抽象レベルの高いところでは密度が濃くなりますが、具体化するときに解像度が落ちる傾向にあります。そのときプロトタイプを作り、最終的な使用イメージまで素早く具体化するのはデザイナーの腕の見せ所です。デジタル庁にインハウスのデザインチームがある意義もそこにあるのではないでしょうか。

これだけ様々なWebサイトに接していると、いかにデザインが大事かということを思い知らされます。

「ユーザー起点」は、自らがユーザーの立場で使うとどう感じるかということだと思います。デジタル庁をはじめとして、よく見られる・使われるWebサイトやアプリは、中身はさることながら、その使いやすさ故に使ったり、見たりしている面も大きいのだろうと感じます。

デザインについて「具体的に議論」というのも、行政に非常に弱い気がします。よほどの物好きでないと、Webサイトのデザインにこだわらないか、又は、外注先任せ(外注先の能力次第)になっているのではないかと思います。
石川:ユーザーの想いや行動を深く観察すること、これがStreetcarから学べる「ユーザー起点」の浸透に必要な要素ではないかと思っています。そのためには、サービスが完全に完成してからではなく、プロトタイピングの段階から世の中に出してみること。そこから得られた声やデータをもとに改善を繰り返すことで、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。

「ユーザーの想いや行動を深く観察すること」、ユーザーの立場に立つとはまさにこういうことですよね。

観察・・・あるいは、ユーザーの本音の声を聞けるようだったら聞きたいですよね。

プロトタイプから出していく、というのも行政サイドは難しく考えそうですね。行政で新しいことをやろうとしたり、何か変えようとした場合、その検討に数か月~年単位でかかりそうです。ひとまずやってみようよ、と。出してから、運用しながら考えて直したほうが効率的なんですよね。
田川:私たちが区役所や市役所に行って記入する書類は、書く順番が分かりづらかったり、「このパターンはこう書いてください」といった難しいルールがあったりして、戸惑ってしまうことがよくありますよね。これまではユーザーが頑張って調べて解決するか、窓口の人が人力で書き方をサポートするみたいな形で対応されてきました。こういった仕組みは、まさにデザインやユーザーへの共感が欠落して出てしまっているものだといえます。
デジタルの場合、ヒューマンスキルの介在なしで、設計したものが直接ユーザーに提示されてしまいます。そのため、物事をシンプルにしなければ使ってもらえません。たくさんある情報の中で、「何を捨てるか」がデザイナーの発揮できるセンスだと思っています。
石川:足し算ではなく、引き算ができるかというのは重要な視点ですよね。表面に見えているUI(ユーザーインターフェイス)がデザインだと誤解され、とにかく足し算をすること、情報を全て提供することが正しいと思われていることもあります。ここでも「ユーザー起点」や共感が前提としてなければいけないという話になるのですが、どう体験をしてもらうか、どう直感的に使ってもらえるかが、デジタルのデザインにおいては必要です。
KESIKIでは「思いやり」と「優しさ」というシンプルな表現をするのですが、一人ひとりに対して想像を巡らせる、そんなマインドを持つ人材が行政にも求められていくでしょう。

「何を捨てるか」、非常に難しいですが、使ってもらうためには非常に重要だと思いました。

資料などを見ると、特に行政はあらゆることを伝えるために、情報を盛り込みがちではないかと思います。

ユーザーの使いやすさを追い求めるということは、まさに「思いやり」や「優しさ」そのものですよね。

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